記事:前徳明子
私の幼い頃の絵本の記憶は、寝る前に毎日、父から読んでもらった「世界名作童話全集」(ポプラ社)でした。「今日は、どれを読んでもらおうかな」とワクワクしたことを今でも覚えています。
そんな父は、高校の物理の先生でした。私が小学生になると父の口癖は、「本を読みなさい」になり、残念ながら、私は、本を読むことから遠ざかってしまいました。(今ならば、本をよむことの大切さがわかるのですが・・・お父さんごめんなさい)
ということで、幼稚園教諭の頃の私が大好きだった絵本は、字のない絵本「スノーマン」
レイモンド・ブリッグズ(評論社)でした。繊細な色使いやカラフルな色からワクワク感が伝わってきました。「ゆきだるま」が少年の家で繰り広げる「あんなこと」、「こんな楽しいこと」、幻想的な場面などをシーンごとに子どもたちと想像しながら観て楽しむことのできる「スノーマン」が大好きでした。絵から自由な想像をめぐらせることのできる子どもたちとの幸せな時間でした。
子ども達が幼稚園にいる間は、『安心して、楽しく過ごしてほしい』と常に考えていた私は、ある時、保育室を絵本の世界にすること(異空間を作ること)で、子どもたちが喜んでくれるのではないか、楽しく過ごせるのではないかと考えました。「スノーマン」の絵本の中で私が大好きな場面(スノーマンと少年の夢のような空の旅)を保育室の壁いっぱいに模造紙を敷き詰めて描いたことがありました。もちろん、子どもたちや保護者の方にも喜んでいただけたのですが・・・・・。壁面の範囲を大きく超えていたため、1週間くらいで、貼りかえることになりました(涙)
その後、短大の教員になってから出会ったのは、児童文化財として絵本と同じくらい大切な紙芝居です。私が紙芝居の力を感じたのは、ベトナムの紙芝居「太陽はどこからでるの」チヨン・ヒエウ(童心社)の作品です。この紙芝居に出会ったのは、私が短大の教員になり、3~4年くらい経った頃でしょうか。責任のある立場を任されるようになり始め、みんなの意見を聴き、取り入れながら仕事を進めていくことの難しさを感じていた頃、悩む私に紙芝居を学んでいた上司が演じてくれたのが、「太陽はどこからでるの」でした。海に住むカニ、山に住むシカ、木の上で生活しているサル、それぞれが「太陽は、ここから出る」と主張しあう所から始まるお話です。まさに、自分のその時の仕事の状況と重なっていたのです。この紙芝居を読み終えた後、「あー、そういう事だったのか」と心から納得したことを覚えています。
絵本も紙芝居もそれぞれ、作品の中に生きることのすばらしさや生きていくための知恵が入っています。それぞれの立場や状況で作品に出会うことにより、受け止め方も変わると思いますので、こうでなくてはならないという答えは、ないと思います。読み手や演じ手次第で聞き手や観客に伝わるテーマが変わるのもまた、作品の幅が広がって素敵です。
まだあまり紙芝居と出会ったことのない方、また、紙芝居の演じ方がわからない方などへ朗報です。紙芝居の『共感の世界』のすばらしさに出会っていただけるイベントをご紹介させていただきます。
2026年6月20日(土)、21日(日)埼玉大学で第28回紙芝居サミットが開催されます!
https://sites.google.com/view/kamishibaisummit2026
今回は、なんと、「絵を描く者からのメッセージ」、「世界に広がる紙芝居Ⅰ・Ⅱ」、「紙芝居の源流を探る」、「出版紙芝居について」、「語り継ぎと紙芝居」、「演じてこその紙芝居」、分科会「①外国のお話の紙芝居」、「②地域に広がる紙芝居」、「③次世代の子どもたちと紙芝居」と盛りだくさんの内容になっています。また、メインゲストの田島征三さんをはじめ、韓国、中国、インド、日本のゲストの皆さんが豪華です。このチャンスを逃さずに、是非、
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